第一巻
『彼岸花』
「俺がリナと初めて出会ったのは、親友の結婚式だった。
一目惚れした事が無いわけじゃないし、恋愛経験もそれなりにあるけど、リナは違ったんだ。
付き合い始めてからも、どんどん魅かれてく自分がいた。
初めて、夢を捨ててもいいと思えた恋人だった。」
[愛毒者]
何もかもが音を無くして
心に響く鐘の音
モノクロームな世界に咲いた
たった一つの赤いバラ

初めて光得た時の様に
目を離す事すら出来なくて
制御出来ない己の心を
持て余している夏の日

愛を殺して…伝わる前に
夢を忘れて…妄想が止まらない

瞳灼かれても構わない
甘い毒を解毒剤捨てて飲もう
ずっと一緒にいたいから

「指輪…受け取ってくれるか?
…ありがと。
ずっと、つけててくれる?
…信じてるから。」

満天の星
地上にも光る星達
不変の物が祝福に見えた

身体無くしても構わない
甘い毒を御皿ごと食べよう
二人一緒なら…
瞳灼かれても構わない
甘い毒を解毒剤捨てて飲もう
ずっと一緒にいたいから
「初めて行った海、初めて見た星空、初めて作ってくれた料理…全部覚えてる。
これからも沢山の“初めて”を、ずっと一緒に経験出来ると思ってた。
…あんな場面を見るまでは…。」

(ある日、近くの交差点でリナが他の男と歩いている所を目撃する)

「…その男…誰だよ…。」
[Last Season]
綺麗な背信者の膝には双頭の猫が眠る
星の如く、塵の如く、
裏切り、甘美な蜜の味

何時から?
何処から?
解らないまま
記憶は消えず、只繰り返すばかり
“不変ヲ信ジタ事ガ馬鹿ダッタノ?”

scene1「出会いの春」
scene2「融け合う夏」
scene3「舞い散る秋」
scene4…not found

貴女の手で此の両目
何も言わずに潰して下さい
何故心は変わるのですか
何故時は止まらないのですか
“失ウ辛サ味ワウグライナラ…”

「ただの友達かもしれないし…。
これから誰かと合流するかもしれないしな…。
…あ。
そこは…俺達が初めて泊まった…。」
scene1「目覚めの朝」
scene2「華やかな昼下がり」
scene3「壊れゆく夜」
scene4…blank disc

貴女の手で此の記憶
何も聞かずに消して下さい
何故心は動くのですか
何故時は戻らないのですか
“孤独ナママデイラレタラ…”
「次の日部屋に来たリナに“昨日何してた?”って聞いたら、俺の為に料理の練習してたって…。
リナが作ってくれたカレー、本当に美味しかった。
だから…いいんだ。
もう…もう、決めたから…。」
[彼岸花]
空には変わらぬ星が
全ての欠片照らして
冷たく蒼い月灯り
左の腕を探して

…愛した
…この髪
…どうして

君が欠片になる
何が追い詰めたの
君が飛び込んだ
僕も…いけるかな

綺麗に咲く彼岸花
血の色、更に深く
宵闇穢される前に
左手、見付けなきゃ

…指輪が
…見えない
…どうして

君を拾い集める
何が追い詰めたの
少しだけ温かい
左目を飲み込んだ

…君の背中押した
震えてた唇抱いて
君が捨てた指輪
薬指、見付けたよ

空には変わらぬ星が
全ての欠片照らして
二つの心臓から
流れる血に染まる彼岸花

「ずっと…一緒だぞ…。」





[←戻る]